サツキログ

DINKsの30代OLによるライフスタイルブログ。日々の生活/旅行記/キャリア/カルチャー関連など。元社畜です。

 本サイトはプロモーションが含まれています

【本】「サハラ砂漠の王子様」イスラム文化圏内に旅行に行く前はこれを読もう①

スポンサーリンク

相も変わらず、アフリカ熱が全く冷めておらず、関連図書を少しづつ読んでいる今日この頃です。

こちらの本は2004年に出版された、たかのてるこさんの海外エッセイ。

出版されてから結構な年月が経っているのに、モロッコの基本的な国の感じは変わらないんじゃないかと思った1冊でした。

 

沢木耕太郎さんの「深夜特急」然り、ひと昔前の本でも面白いものは面白い。

せっかくなので、レビュー(という名の感想)です。

f:id:stk5:20200322161957j:plain

サハラ砂漠の王子様

かの有名な「ガンジス河でバタフライ」を知っており、著者のたかのてるこさんにも見聞きしたことはあったのですが、まさかそんな前の本とは知らずで驚きです。

インド→モロッコとくるマニアック具合が好きだー。

著者:「ガンジス河でバタフライ」のあの方

たかのてるこ、1971年生まれ。

この本に書かれている旅に出たのは1993年、当時22歳の時。

その後、東映に就職して18年間勤める。その間も旅をしながら、本を執筆。

2011年に東映を退職し、現在はエッセイストとして活動中。

 

驚いたのは、たかのさんの経歴。

この旅行が実際にされたのは1993年ですが、本が出版されたのは2004年です。東映で働いている間に、会社公認で2足のわらじで作家活動をされていたのだとか。11年後ですよ、すごいなー。

もちろんその間、ご本人がきちんとお仕事を頑張っていらしたというのもあるだろうし、あの時の経験が時を流れてこんな風に形になるなんて、本人じゃないけど感慨深い。人生って何が起こるのかわかりませんね...

本の内容:砂漠での体験を主としたモロッコ旅行記

たかのさんが大学卒業間際に行った一人旅の様子を書いたもの。

基本的にはモロッコのお話ですが、ヨーロッパからの縦断旅行だったので、前半1/4くらいにフランスとスペインの旅の様子も入っています。

モロッコでの内容は主に、タンジェ→マラケシュ→ザゴラでの砂漠体験について書かれています。

有名な方なので知っている方も多いかもしれませんが、コメディタッチな文章で面白おかしく、あっという間に読めます。(わたしも合計半日ほどで読めました)

感想:モロッコの話というより、男女の愛情の話

非貞操。強姦未遂続発。まず、それが正直な感想...

貞操を覆す出来事が、筆者の周りでとにかく起こりまくる。その欲求(?)の矢印が、他者から筆者に向いたり、筆者から他者に向いたり。

 例えば、

・強姦未遂に遭った×3回

┗①船で案内されたボイラー室で水平ボーイからチュー未遂

┗②レストランのトイレでウェイターボーイからチュー未遂

┗③YMCAでお世話になった女の子の彼氏から公認強姦未遂

・サハラ砂漠行きで出会ったスペインボーイとまさかの両想い

(ただし叶わぬ恋に散る)

 

強姦未遂は、他者から筆者に向いたもの。

当時のイスラム圏では男女の付き合いは諸外国ほど自由ではなかったため、男性は外国の女性を見ると嬉しくて性的衝動を抑えられなくなるらしい...(今はどうだか知らないが)

スペインボーイとの両想いは、筆者から他者に向いたもの。あるいはお互い向き合ったもの。

二人とも、日本とスペインにそれぞれ相手がいる中、サハラ砂漠で生死を共にしてから淡い恋心が芽生えてしまったが、お互い住む世界が違うので泣く泣く離れたとのこと。

 

筆者、中盤にあんだけ強姦未遂メンズたちをこき下ろしてたのに、後半、自分だって心浮わついており、人間の欲求が渋滞しています。。

それでも、それらの出来事を面白おかしく、最後のスペインボーイとの思い出は美しく感動的に書いてるんだから、疑問視する意識も吹っ飛んで引き込まれてしまいました。

 

というか、そんなこと普通ならトラウマになってしまいそうだったり、感傷的になってしまいそうな出来事を経験してもなお、笑い話に変えていけるたかのさんという女性に、生物学的な強さと生命力を感じます。。

モロッコ旅行後編のエッセイに期待!

本自体はとってもおもしろいです。

ただ、今回に関してはモロッコについての話というより、モロッコで繰り広げられた男女の色恋模様の話、という印象が強いかな。。

そんな中でモロッコの景色や人柄についての描写はあるので、この本=男と女のゴタゴタ、という部分が悪目立ちした本、という風に結論付けないようにしないと。

例えば1993年当時はもちろん、きっとこれからも変わらないであろう景色、フナ広場の雰囲気とか、アトラス越えの描写とか、現地でのおもしろい人との出会いとか人間模様とか、読んだからにはもっと繊細な部分を大切に刻んでいきたいなぁと思いました。

 

なにやらこの「サハラ砂漠の王子様」に続く本、「モロッコで断食」があるみたいです。「断食」という宗教的な行事がタイトルに入っているだけに、こちらの方が文化的な要素が多く含まれているみたいなので、期待するのはこっちかな。

さっそく読んでみます。

 

相変わらず昔の本を投稿することになりますが、よろしければお付き合いくださいなぁー!

 
~2019年6月2日:追記~
早速、2作目完読。続けてレビューしてます。