Diorのショーがモロッコ、マラケシュのバディ宮殿で行われたそうです。
このニュース見て驚きました。なぜなら、ものの少し前に実際に行った場所だったから。
なんで?!ただのだだっ広い空間なだけだったのに。
しかもエレガントさとはかけ離れたモロッコ。Diorのショーだなんて、びっくりです。
でもせっかくのこんな機会、写真もまだまだあげきれなかったし、ついでに追加記事でアップしよう。
ということで、モロッコ旅行記の番外編です。
ディオールのショーが行われたエル・バディ宮殿
写真もあげたいところですが、簡単にどんな場所かお伝えします。
エル・バディ宮殿は16世紀の史跡
エル・バディ宮殿はモロッコの都市、マラケシュにある一つの遺跡です。
マラケシュは、首都のラバト、カサブランカ、フェズに続いて、モロッコ第4の都市とされています。
こちらの写真は、マラケシュの代名詞ともいえる世界無形文化遺産のフナ広場。
ほかにも、世界最大の商業地区と言われるスーク(市場)が有名です。
町は新市街と旧市街に分かれます。新市街は外資系の店が並び、整然とした印象。
旧市街はテレビに出てきそうなザ・イスラムの世界で、古い史跡や昔ながらの暮らしが見られます。
バディ宮殿があるのはもちろん旧市街。16世紀のサアード朝時代にできた宮殿で、17世紀末に台頭したアラウィー朝の時期に破壊されたそうな。
ざっくり、日本でいうと戦国時代初頭にできて、江戸時代中期に滅んだってイメージでしょうか。
今ではマラケシュの観光史跡に
バディ宮殿は今ではマラケシュの代表的な観光地になっています。
入場料70DH(=日本円にして840円くらい)を払えば入ることが出来ます。
昔は10DH(=同じく120円くらい)だったらしいんですが、観光客向けに値上げされてるとのこと。
エル・バディ宮殿、ショー会場の普段の姿
中に入ると、まずは細長い遺跡スペースのようなところ。
この左サイドに小部屋がたくさんあって、昔の装飾品などが展示されてます。
写真の中央奥に、階段の踊り場のようなところがあるの、わかっていただけますでしょうか?ここがこのスペースの出口になります。この扉をくぐると、ショー会場に開けることになります。
そして、こちらをご覧ください。実際にショーが行われた映像です。
Master Musicians of Joujouka v The Orb live Dior Cruise Show 2020
この映像と見比べる形で行きましょう。
まずは扉をくぐったときに見える景色がこちら!こんなに広いんです。
右に映っている四角い建物が、ランウェイのバックに見えていたところ。
逆からみたらこんな感じ。中央の茶色い扉から出てきたことになります。
扉から出て左に向かった空間が、おそらくショーでメインに使われたところ。
(この写真でいう右方向に向かったところです)こんな感じ。
もう、作らずしてのランウェイですね。
ここからカメラを左にずらした写真がコチラ。
低い場所にお庭が作られており、オレンジの木がたくさんなっています。
右奥に映っている少し小高いところが、展望台です。ここから、宮殿全体を見渡すことが出来ます。景色はこちら。
右奥の四角い建物が、最初に扉をくぐったときにみえたところ。
中央を横断している1本道が、さっき歩いてきたところ。
少しカメラを左にずらしたら、こんな感じ。たぶんこれがショー会場の全貌だと思います。
写真の左はしに映っている茶色い更地みたいなところがセンターステージ前の報道席として、
・奥を横断している1本通路が入りのランウェイ
・手前を横断している1本通路がはけのランウェイ
・真ん中の池が、キャンドル浮かべたりたいまつ焚いてたところ
じゃないかなー。と、予想しています(笑)
ちなみに展望台からは、遠くアトラス山脈やマラケシュの街並みが見えます。
本当に、Diorがショーしたよって言われないとわからないような町(失礼)。
モロッコはネコが多い国。宮殿内にもいました。
今回のショーでも、ネコが乱入したとかで話題になってましたね(笑)
マラケシュは昔から交易が栄えた町で、
今回のDiorのディレクターも、アフリカ文化との交流に関心があって、この場所を選んだとのことです。
マラケシュとファッションの繋がり
ここからは完全に私が書きたくての便乗ですが、マラケシュとファッションブランドとのつながりは、実は他にもあります。
イヴ・サン=ローランの庭、マジョレル庭園
新市街にあるマジョレル庭園は、イヴ・サン=ローランが経営を務めた庭園として有名。
イヴ・サン=ローランはクリスチャン・ディオールが亡くなったあとの最初のDiorのデザイナーであり、晩年はここマラケシュですごしたということも、今回のショー地として選ばれた理由だそうです。
庭園の中はコバルトブルーのタイルとサボテンや竹などの植物との、独特の空間が広がっていました。
彼の遺灰もここでまかれたとのことで、記念碑もあります。
多くの方が手を合わせていました。
歴代のYSLの西暦イメージビジュアル?みたいなものもあって、かっこよかったです。
マラケシュは基本、雑多でカオスな町ですが、マジョレル庭園の周りはさすがに落ち着いていて、ハイセンスな店や欧米系の観光客の方も多かった印象です。
実はカオス!マラケシュのギャップにやられたり?
ここまで、DiorやらYSLやら、オシャレ風な感じのこと書いてきたわけですが…
マラケシュ=オシャレ!ハイセンス!セレブが集まる街!って思った方、大間違いです。笑
実際は、煩雑で、ちょっと小汚くて、排気ガス充満で、物と人であふれかえってて、その人ががめつくて、だましだまされて、結構疲れる街です。それを楽しめる人もいるけど、逆にストレスになる人もいると思いますし、リゾート的なバカンスを求めている方には、あまりおすすめはできないかもしれません。
そんな街の廃墟でも、ハイブランドの手にかかるとクリエイティブなショー会場に変わるんですもんね。
「あーこんなとこでやってたんだー」っていうのが伝わったら嬉しいです。
とにかくYoutubeや写真でショーの様子を見て、あの空間に改めて感動した!
っていう振り返りブログでした!
【2020年3月5日:追記】
翌年にはルイ・ヴィトンの広告キャンペーンの撮影もモロッコで行われました。ハイブランドから続々と注目されており、個人的にこういったアフリカとのカルチャーの融合を見られるのが楽しいです!